未来兵器の実現可能性
レールガンとか粒子ビーム砲とかよく聞くが、そんなモノの
実現が可能だというんだろうか？
そもそもレールガンとか粒子ビーム砲とかって何だ？
何でそんなもんを作ることになるのか？
実弾系とビーム系に分かれるけどまずは実弾系。
・レールガン(Railgun)
電磁気的な力から生じるローレンツ力を利用して物体を飛ばすもの。
メリットとしては理論的には光速直前まで加速することが可能（あくまで
理屈の上では、実際にはむりだろうけど）、火薬がいらないなどがある。
デメリットとしてはエネルギー転換効率が悪く構造が複雑であることが挙げられる。
(電気エネルギーから運動エネルギーへの転換効率は５％程度だったと思う。
超伝導でも利用できるなら話は別であるが)
・コイルガン(Coilgun)
レールガンに似ているが磁力による力で物体を飛ばす。
構造が単純であり、レールガンに近い性質を持つが、
レールガンほど出ないにしろやはりエネルギー転換効率はよくなく、
飛ばせる物体が少ない。
（レールガンと違い磁力が影響するものでないと飛ばせない。
電気エネルギーから運動エネルギーへの転換効率は１０％程度。）
次にビーム系。
・レーザー(誘導放出による光増幅)
(LASER:Light Amplification by Stimulated Emission of
Radiation)
特定の波長と指向性を持つ光を照射する。
完全に光速の上、さまざまな波長を持つため多様な利用ができるが、
エネルギー転換効率はともかく破壊力は低い上、構造は複雑。
（たとえば炭酸ガスレーザーの場合電気からの転換効率は３０％にもなるが
物体に当たる際にそのエネルギーすべてが有効に作用するわけではない。
可視光の波長のレーザーではもっと転換効率は下がり、波長によるが２〜５%程度）
・メーザー(誘導放出による電波増幅)
(MASER:Microwave Amplification by Stimulated Emission of
Radiation)
特定の波長と指向性を持つ電波を照射する。
レーザーに順ずる性質を持つ。レーザーより作りやすい。
・粒子ビーム(Particle Beam)
粒子を電磁気的に加速する粒子ビームと、粒子をプラズマ化して
発射するプラズマビームがある
粒子にはヘリウム原子核、陽電子、電子、中性子などさまざまなものが
用いられることとなる。
これも理論的には光速まで加速が可能だが、構造は複雑で
エネルギー転換効率もそこまで高くはない。
プラズマビームは作成は比較的簡単だが、ビームの速度は遅い。
他にもあるかもしれないけどこんなもんかな？
とこうやって見ていると共通点としては、
１．エネルギー源が大量の電気、転換効率悪い
２．理論的には光速まで加速可能(あるいはもともと光速)
３．構造が大抵複雑
という性質を持っている。
正直小型の発電機とかでは使用するのは困難だろう。
まして電池で動くレールガンなんて、エアガンより弱いかも知れん。
実現可能性としては拠点防衛とかそういう方向で。
SDIの可能性として研究されてたのは、光速に近い速度が可能、
（レーザーは光速）という点だろう。ミサイルは速いからなあ。
基本的にこれらの兵器の目的は、ミサイル撃破だったからな。
東西冷戦終わったら存在意義半減。
未来兵器って言うか電気兵器だな。
電気がなければ何にも出来ないただの筒や棒。
それいったら現代の火器も、弾薬がなければただの筒な訳で。
将来人間が持つ火器がビーム兵器になるかって言うと、ならないだろう。
だが、その一方で火薬を使わないものに置き換わる可能性は無くはない。
携帯用武器になりえる可能性を秘めているのはコイルガンだ。
つくりは単純、比較的パワーも出せるというのは大きい。
いい電池が作られ、いいコンデンサーが出来たらハンドガンも作れるかも
知れない。無茶苦茶強い銃になるかって言うと…ならんけど。
とはいえ、現代の武器にはすでに十分な信頼性がある。
いくら未来兵器でも水に落としたら使えませんでした、では
お話にならない。
コイルガンですらなかなか難しいだろう。
まして複雑な構造のレールガン、レーザー、粒子ビームなどが
携帯火器としての立場を奪うのは相当に困難だ。
それにもしそんな火器が作られるとしても、名のある職人が
作る代物でもなく、ひたすら量産品として作られるはずだ。
でないと兵力として話にならない。
どこかの武器職人が物理学と電子工学勉強して、強力なハンドレールガンや
携帯粒子ビーム砲を作ったりすることは…ないだろうな。
よしんば作るとしても、実用にはなかなかこぎつけない。
そして最大の問題は、作ってどうするよ？ってこと。
あくまで夢、つーか妄想のお話ですがな。
作ってる人も居るという話もあるけどな。
携帯火器で弾道ミサイル撃ち落す、それが究極の目標。
マンガとかなら有りそうで恐い。